うちの雑種犬はささいなことで気分を害する。大きな声で子が説教されている、何かが落ちた、何かが倒れた、あるいは階段に本が置いてある、ボディーボールが自分の方へ転がった・・・などなど。M.シュナなら全く気にもとめないことで拗ねる。
もともと恐がりだから仕方がないのだが、呆れるくらいプイッっと部屋から出て行くので非常に気を使う。
出て行く姿を見ながらあわてて人間たちは「あぁ、あなたに怒ってるのではないのだよ〜」と呼び止めるがそんなことをしても二度と戻ってこない。なので彼女の動向にはかなり皆気を使う。
近頃は寒いのでM.シュナもベッドで寝ているのだが、こちらが動こうが端に寄せようがいっこうに起きる気配もなく爆睡している。
雑種犬はあまり寝る場所を決めておらず、皆が寝静まった後それぞれの部屋を見て回る。子らが今日何をしてきたか荷物を嗅ぎまくり持ち物検査をする。その時々で「今日はここ」と思った場所で寝る。もし自分のベッドが彼女に選ばれる幸運(?)に恵まれたら、みな寝返りもせず、たとえふとんがずり落ちそうだからもう少しひっぱりたいと思っても、ひたすら静かに眠れるよう息をひそめなければいけない。存在を忘れ、ついうっかり思いっきり向きを変えたらあっという間にベッドを飛び降りすぐさま部屋を出て行くのだ。オマエは猫か。
彼女がよく寝ているのが、ワタシのベッド。しかも枕の上がお気に入り。これは非常に困る。コチラが先だとまだいいのだが、さて寝ようと言うときにアチラが既に全身枕に乗ってるときはさすがにじわじわと寄って頂く。が、負けずにあちらも押し返す。すぐに気を悪くする割には、欲しいモノは必ず手に入れるタイプだ。
こんなことがあった。ある晩、部屋をウロウロ歩く音で目が覚めた。部屋の外へ出たいのかドアの前まで行きこちらをじっと見つめている。「よしよし、出たいの」とワタシが立ち上がるやいなや、ヤツはダッシュし今まさにできたベッドの空間に飛び乗り枕によりかかって寝始めた。やられた。仕方がないので枕無しでその晩は寝た。
なんてわがままな犬だろう。マダムの犬はフツーもっと飼い主に気を使ってくれるんだろな。
マダム犬を目指して欲しいモンだ。