今日はまた
例のネイルのオネエサンが来るというので友人宅を訪れた。予約時間ぴったりに作業にとりかかるよう到着したオネエサンはすっかりエプロンをして準備万端。無駄口をたたかずに最低のお愛想で黙々と爪の手入れをしてくれる。あれこれ質問攻めにするのに、手を休めることなく、押しつけがましくない返事をしてくれるのだ。
この日のお客は二人。電話や来客のインターホンで主が中座すると、さっと残りの一人の手を取り手入れを始め無駄がない。
ただの野次馬に過ぎない私は周りでウロウロし、オネエサンの持ってる本をめくり「コレがいい、アレがいい」と自分ならどれをしようかと考えていた。
オネエサンの手元を見てみると、これでもかと言うほど長いスカルプをしている。よくこんな爪で細かい作業ができるもんだ。さっきは除光液でマニキュアを落としていたのに、自分のまで落ちないのだろうか。「いえ、すごく気をつけてます」そりゃそうだな、普通にしていたらすぐにコットンが指に付いてしまう。でもそんなことなどみじんも感じさせず優雅に仕上げてくれる。この雰囲気も含んでネイルアートなんだろう。以前ネイルを習いかけたとき講師のオネエサンは「客から見た」ビンの持ち方、ハケのすべらせ方、手のとり方をすごくしつこく指導していたっけ。料金には技術の他にうっとりする時間と空間も込まれているんだ。
あっという間に仕上がった友人の爪はこれ。今日は自爪で。
美しいこと。
次回、私はオネエサンのようなクリアーに3Dの花で、短めのスカルプにしよう!
それにしても近頃若い女性を見るとみな「オネエサン」というひとくくりの人種に見えてしまう。まるで少年漫画の作家が描く女の子がみな同じ顔ってやつではないか。ちっ。