部屋中を片付けるのはなかなかできないのだが、
それでも部屋の模様替えをするのは大好きだ。
しょっちゅうベッドやテーブルの位置を動かしては悦に入っている。
それと同じくらい好きなのが引き出しの中の整理。
大きな事はできないがイジイジしたどうでもいいことならできるのだ。
たまりにたまった鉛筆や文具を削ったり、不要なのは捨てたり、とやり始めたらとまらない。
化粧品の引き出しもすぐにぐちゃぐちゃになるのでやりがいがある。
手のかかるメイクはしないくせに、いつのまにかペンシルやアイシャドーが増えている。
このマスカラは、いつ買った?
たくさんの口紅・・・いったいいつのものだろう。かなり古くないか?
食べ物に関してはそこそこ賞味期限や内容物を気にするのに、化粧品にはかなり寛大だ。
口紅だって体内に入るのに、いつまでも使ってたんじゃ、ちょっと気持ち悪い。
思い切ってドンドコ捨ててみた。
アレいらない、コレいらない。
幾色かを残し、ずいぶんすっきりしたこと。
考えてみれば自分の好みで口紅を買ったことがない。
買おうと思う前におみやげで結構もらってしまっていた。ちょっと好みが違うなと思いつつ、なんとなくいつまでも使っていた。
最近は淡い色が多いけど、「コレ売れてるんだって」というのを頂いても、ワタシがさせば病人だ。
やはりマダムを目指すなら自分にあった色の口紅を選ぶべきだろう。
そういうわけで口紅を買いに行った。
ファンデや白粉は買うけど、口紅を買いに行くのは初めてかも。
昔なら近寄るのも怖かったデパートの化粧品売り場。どうせみんな産めるほどに若いオネエチャンたちなのだから恐れることはない。
絶対買う!って意志も金もあるのだから堂々と見ればいいのだ。
だけどドレ見ていいのかわからない。
これって、シャドーか?それとも口紅か・・・?
サンプルを手に取ってもどこから開けるのかわからない〜。
香水ムンムンのオネエチャンに探してもらおう。
サーモンピンクの口紅。
ピンクだけどオレンジ系の服にもいけそうなの。
そして表情が明るく見えるのをちょーだい。
だってあまり紫が入ったようなピンクだと顔色悪すぎだし・・・(紫は好きだけど)。
お客様、お顔の色を明るく見せる、というのはチークでするものですよ。
そんなことも知らねーのか、
チークなんて持ってないんじゃない?
若い子はこれを上手に使うのよ、・・・(そう聞こえた)
って感じでオネエチャンが言う。
へんっ!だ。
オネエチャン、わかってない。
いつまでも丁寧に丁寧に時間をかけてメイクはしないのよ。
朝から出かける予定もなくってスッピンで過ごしてしまって、不意にピンポーンってご近所の誰かが来て出ないといけなくて、パパッと玄関先で塗りつけた時に顔色がよく見えるのがほしいのよ。