寒い朝、暗いうちから起き出してあれこれ家事を済ませていくのはワタシの理想だ。
栗原はるみさんは朝からリビングのガラスを磨いているらしい。きれい好きの友人は毎朝玄関の三和土に水を流し洗っているらしい。こういう清める感じはストイックなお坊さんみたいで憧れる。
玄関は家の顔だ。いつでもどんな時でもすっきりしていると気持ちがいい。いつまでも犬の毛が丸まってころがってるようではいいことも逃げて行きそうだ。目指すはレレレのおじさんだ。
だが、うちの家は今まるで貧乏くさい。玄関には真鍮(かな?)の犬の型の表札をかかげている。なかなかきれいな形で気に入っている。昔むかし何十年か前にアメリカで買ってきたものだ(買ったのはワタシではない)。そこにきちんと名前をつければいいのに、近くのホームセンターで買ったアルファベットをボンドでつけたものだから劣化してきた。一つ落ち、張り直し、また落ち・・・するうちに、名字が別の名になってきた。なんとかしなくては。
しかもその上、ポストがイカれた。一本足で立っている蒲鉾型のアメリカーンなものなのだが、花壇につきささっているので際のところが腐食してきて乳歯のようにぼろっと折れてしまったのだ。どうするよ。
誰か配達で放り込んで倒すまで放っておこうかと思ったのだが、とりあえず応急処置をオットがしてくれることになった。
しばらくの作業後「応急どころか、完璧!!」と自信満々だ。この言葉がまた不安にさせる。完璧?
いかにも怪しい。
前にもあったこの手の話。ビデオデッキが壊れて中からビデオが出てこなくなった時のこと。機械はお任せと自負するオットがさんざん触り倒して、デッキを上下逆さまにしたらビデオが出てくるようにしてくれた。こういうの修理したと言うのだろうか。「これで完璧!!」あの時も確かそう言った。誰が毎度出し入れの度にデッキを上下にさせるのだろう。
結局ポストは胸ほどの高さの木の柵に引っ越しヒモでぐるぐるに縛られて落ち着いている。その日の夜中からものすごい風邪がビュンビュン吹き出したので助かった。確かに完璧かも。
それにしても表札にポスト、早く本気で直さなくては!